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Lent Term終了!
1月から始まったLent Termが、25日(金)で終了しました。全然勝手の分からなかった最初の学期と違って、授業や課題への対応など大体ペースが掴めるようになったためか、今学期は先学期より一週間長かった割には、時間が過ぎるのが格段に早く感じられました。特にこの数週間は、大震災という全く予想外の出来事もあり、思考があちこちに飛んだり支援活動に携わったりしているうちに、あっという間に学期末を迎えた感じです。

学期の最終日には、2つの授業でプレゼンがありました。もともと1つの授業では最終日にプレゼンがあることが分かっていたので、他の授業のプレゼン担当日は学期半ばに設定して分散させていたのですが、途中で教授の都合により授業のトピックの順番が変わってしまったため、そのトピックを担当する私のプレゼン日程も一緒に移動してしまったというアンラッキーにより、プレゼンがよりにもよって最終日に2つも重なるという事態に。どちらも成績には考慮されないので、それが救いでしたが。

*今学期の授業一覧は、コチラです。

1つめのプレゼンは、必修の【Social Policy: Organisation and Innovation】の授業です。レクチャーに続くセミナーにて、議論のきっかけとするため、レクチャーのトピックに関するプレゼンを行うというもの。私の担当した内容は、「Decentralisation(分散化、分権化)and welfare governance」というトピックで、pre-sessionalの時から仲良くしている韓国人の友達との共同プレゼンでした。

具体的には、「decentralisationはpolicy innovationを引き起こすものか」「decentralisationは常に地域格差を拡大させることになるのか」というセミナーの質問(議論のための質問が毎回2~3問設定されており、大抵は試験問題候補にもなります)に対応して内容を組み立てていったのですが、レクチャーや文献を色々と調べる中で印象的というか驚いたのが、decentralisationについて積極的、楽観的な論調が大多数だったこと。各国の具体的な事例では、確かに「decentralisationによって、地域格差はむしろ縮小される」という仮説にマッチするような結果が出ているものもあるのですが(スペインでの教育分野の分権化など)、そのためには権限の分権化のみならず財政面での十分な裏付け、双方の政治体制、当該自治体での関心度など諸条件が揃うことが必要で、逆に格差が広がっている事例があることからも、decentralisationを「イノベーションと実験のためのフィールド」などと表現しているのはあまりにも楽観的に思えました。

プレゼンの準備に当たって友達と議論していく中で、「ある地域でinnovativeだということは、地域格差になるのでは」「地域格差の縮小や単一性を目指すことと、各地域でのinnovationを引き起こすためのdecentralisationは矛盾するのでは」「国全体でinnovationをするのであれば、集権化の方が適切では」などと考えはまとまらず、プレゼンでは結局上記のような多数派のポジティブ論を述べつつ、それに対して疑問を投げかけるという流れになりました。
(興味深い事例としては、ウェールズ地方での学校リーグテーブル(各学校の成績公表)の廃止があります。教師からの根強い反対により廃止したところ、当該制度の残っているイングランド・スコットランド・北アイルランドとの学力差が確実に広がっており、さらにウェールズの当局もそれを認めているのですが、特に制度を復活させる考えはなく他の方法で学力向上を目指すというスタンスを取っています。これがinnovationと言えるのかどうか、誰のためのdecentralisationなのか、大いに議論の余地があるところです。)

そもそもdecentralisationの定義自体も定まったものがあるわけではないのですが、主流となっている4つの分類論(①deconcentration(中央政府の地方支分部局への分権化)、②devolution(地方政府への分権化)、③delegation(委託)、④privatization(民営化))や、さらにそれを分権レベルや性質(政治的/財政的/権限的)ごとに分けたUNDP(1999)の分類など、decentralisatioのスキームを少し学べたのは良かったです。


2つ目のプレゼンは、選択科目の【Social Exclusion, Inequality and the 'Underclass' Debate】の授業です。これは元々シラバスにて予告されていたもので、最終日にグループでsocial exclusionに関連するトピックを自由に選んでプレゼンし、コンテスト形式でみんなの投票により優勝グループを決めるというものでした。グループ形成もトピック選びも自由、と学生に丸投げで、ぶっちゃけて言うと学期末の余興みたいな印象を受けて「何だかなぁ」と思っていたのですが…。

これは、テーマ設定やプレゼンの内容そのものよりも、まず出来上がったグループ分けが興味深い結果でした。私が入ったグループは総勢6人、国籍構成はアメリカ人2名(うち1人は中国系)、日本人2名、メキシコ人とイラン人が各1名と、まさにエスニックマイノリティが集まったようなメンバー構成。他のグループは、イギリス人ばかりが集まったグループや、北米系、南米系が固まったグループなど、国籍・母語でがっちりと分かれていました。

私達のテーマは、「難民申請を却下された難民についての現状・支援」というもので、本番では各自がロールプレイでUK Border Agency(入国管理局)、難民支援団体などの立場からの意見を述べるという、かなり斬新なスタイルを取りました。(裏事情としては、私も含めてこの日に他にもプレゼンがあるメンバーが3人いて、なるべくこちらのプレゼンは省力化したいという目論見がありました。)私はなぜか難民役になり、日々の困窮ぶりや英国政府のサポートの脆弱さなどについて切々と訴えるという、もはやsocial exclusionと何の関係があるのかも分からないようなプレゼンでしたが、全部で10グループある中で、何と私達のグループが優勝するという全く思いもかけない結果に!!!

他のグループはしっかりとスライドを用意してきて、充実した内容のプレゼンをしている中、スライドも作成せず準備に一番時間をかけていないこと間違いなし(自慢できるようなことではないですが)の私達のグループがなぜ優勝したのかは全く謎で、もっと頑張って準備をしていた他のグループに申し訳ない限りでしたが、斬新なロールプレイ方式がウケたのでしょうか…。(他のメンバーからは、「涙をそそるような難民の話にみんな同情してくれたのよ」と言われましたが、もはや何のコンテストなのかサッパリ分かりません・汗)ともかくも1%たりとも予想も期待もしていなかった優勝でしたが、ちょっぴり嬉しい気持ちで学期を終えることができました。


そんなこんなで、本格的な授業は早いもので実は今学期で終わり、5月初旬に始まる来学期は試験に向けた復習の授業と、いよいよ試験があるのみです。イースター休暇中も、課題や試験、その後に続く修士論文のことを考えて、計画的に準備を進めないと、あっという間に試験を迎えることになってしまいそう…。


**************


英国の春は意外と早く、春の陽気のもと、スイセンやクロッカス、桜の花が目を楽しませてくれています。懐しい眩しい日射しも戻ってきました。そして27日(日)からサマータイムが始まって一時間早くなり、日本との時差が-8時間に。(午前1時になった瞬間、一時間進んで午前2時になりました。)「サマータイム」とは言っても、サマーだけではなくて、実は一年のうちの半分以上(3月末~10月末)がサマータイムなんですね。

震災関係の報道は、こちらでは少し減ってきてしまっていますが、各種のチャリティーイベントがあちこちで開かれるとともに、日本人留学生の間で中長期の支援に向けた検討も始められています。被災地以外でも、放射能の不安や停電・節電などで落ち着かない生活だと思いますが、自分の体と心にどうかあまり負担をかけすぎませんように。状況が改善して、皆さんが少しでも心穏やかに日々を過ごせるように心から願っています。


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キュー・ガーデンズ(世界遺産)にて。色とりどりの木蓮が満開で本当にきれいでした。

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テーマ : 海外留学
ジャンル : 学校・教育

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プロフィール

nomuhisa

Author:nomuhisa
2010年8月より2年間、職場からの派遣により、英国に留学。2010年度は、LSEで社会政策(MSc in Social Policy and Planning)の修士課程を専攻。2011年度は、Bristol大学で公共政策(MSc in Public Policy)の修士課程を専攻。
英国の耳寄り情報があればぜひお願いします!

*主要な過去記事一覧は、「アーカイブ」からご覧いただけます。

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